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大切な人32

お待たせしました!って誰も待っていないかもしれませんが、久しぶりの『大切な人』更新です。



このお話はあくまで、フィクションです。実際の登場人物や団体及び法律等は関係ありません。

パラレルです。

少し実母と不破家の扱いが悪いかもしれませんが、お話の設定と軽く流して下さい。


キョーコの『特別な人』


その声を聞いた瞬間、俺は『負けた』と思わされた。その声は、嬉しくて、心が幸せに満ちて、思わずもれた声だったからだ。





大切な人32





社長宅―――

宝田社長の前のソファーに座る二人は対照的な表情をしていた。一人はこの世の幸せを独り占めしたような笑顔を頬に赤い紅葉を刻んだ顔に浮かべ、一人は人生の選択に失敗しましたと言わんばかりの表情を浮かべていた。


「・・・お前達・・・いい加減、これからの事について話を始めていいか?」

「ええ、どうぞ。説明をお願いします(嬉)」

「・・・どうぞ・・・お願いします(ムス)」


いつもの礼儀正しい京子なら、とらない態度を社長に対してとっている。余程、社長宅に着いた途端、ニヤケ顔でからかわれたのが恥ずかしかったのだろう。何せ、京子は自分で歩く事が出来ず、俺に抱き抱えられて来たのだから。おまけに、俺の頬にある手形と表情が、社長のテンションを上げてしまった。結果・・・


「・・・スマン。からかいすぎた。そろそろ機嫌を直してくれないか?京子」

「そうだよ、京子。社長は俺たちを祝福してくれただけじゃないか」

「~~~あんなものを用意周到に蓮兄に渡している時点で、面白がられている気がしてなりません!」


余程ご立腹のようだ。こうなると中々機嫌を直してくれない。昔っから、自分の事では滅多に本気で起こらない。ただ、本気で怒ると中々機嫌を直してくれないんだこの子は・・・


「まあまあ、悪かったな。京子。でもな、お前は恋愛話を拒絶している様な処があったから、心配だったんだ…そこの、恋愛音痴と違って、『恋なんてしない』と誓いを立ててるんじゃないかってな。『幸せ』になる気があるのかも心配だったんだぞ」


先程までとは違って、社長は真面目な顔で話し始めた。京子もそんな社長に思う処があるのか、少し寂しそうな笑顔を浮かべながら話を聞いていた。


こういう時は、この二人の間には俺達にはわからない絆があるんじゃないかって嫉妬してしまう。確かに、社長は京子にとって『特別な人』になるんだろう。これじゃあ、両親もやきもちを焼くはずだ…





キョーコが正式にヒヅリ家の養女になって数日後の事―――


「キョーコ。今日からココがお前の家だよ。俺の事はパパと呼んでくれ」

「そうよ。今日から私達の家族なんですもの。私はママと呼んで欲しいわvv」


正式に手続きが済んで、今日からキョーコは正真正銘『キョーコ・ヒヅリ』となった。父と母は、キョーコが娘になった事が、殊のほか嬉しいようで、スケジュールを調整して(マネージャーが死に物狂いで)今日は休みを取った。手続きの間、我が家に滞在していた時もあるし、日本の宝田家に滞在もしていた。


「ありがとうございます///これから、よろしくお願いします」

「ん~~~、カワイイーー!私、娘も欲しかったのよ!!これから女同士でお買い物に行きましょうvv」

「ずるいぞ!ジュリ!私もキョーコと一緒に遊びたい!」

「おじさま。おばさま。喧嘩なさらないで下さい。これからは、いくらでもご一緒できますから…」

「「キョーコ!!なんて良い子なんだ!流石、私達の娘!!」」


キョーコに左右から抱きついた両親の行動に、目を白黒させたキョーコは、どうしていいのかわからずに、無意識に社長に助けを求めていた。その眼差しに気付いた社長が、両親からキョーコを救い出し、自分の腕に抱え上げ座らせると、二人を見ながら忠告して来た。


「わかってるとは思うが、もしキョーコに何かあったら、たとえクオンやお前たちが何を言っても、キョーコは俺が連れ戻すからそのつもりでいろ。これは、お前達が引取るにあたって、認めた(したためた)約束事だからな」

「約束…?」

「父さん?母さん?約束って何?」


俺とキョーコは両親と社長を交互に視線を向けながら二人で首を傾げた。約束事なんて俺は知らなかったから、もしかして俺だけかと思ったら、この件はキョーコも知らなかったらしい。言いにくそうにしている両親を無視して、社長がキョーコを腕からおろして自分の正面に立たせた。


「キョーコ」

「は、はい!」


社長のいつになく真面目な態度に背筋を伸ばして返事をしているキョーコ。自然と俺も緊張でゴクリと唾を飲み込んだ。


「もし、ここでの生活が辛くて耐えられなくなったら、俺に連絡をしろ。君が誰にも引け目を感じないで、生きていくための場所を用意してやる」


社長の口から出たのは、そんな言葉だった。俺はその言葉に驚きで、どうしたらいいのかわからず、キョーコを窺った。そこで見たのは、俺以上に驚いき目を見開いたキョーコの表情だった。しばらくその表情で固まっていたキョーコは、嬉しいのにどうしていいのかわからなくて戸惑った顔をしていた。そして…涙をこぼしながら穏やかな表情で微笑んだキョーコが一言つぶやいた。


「お父さん…」


その声を聞いた瞬間、俺は『負けた』と思わされた。その声は、嬉しくて、心が幸せに満ちて、思わずもれた声だったからだ。


俺はなんて迂闊なんだ!実の母親ともうまくいかず、不破一家でも肩身の狭い思いをずっとしてきた彼女が、いくら『知り合いの仲のいい友達』の俺がいるからといって、不安が無い筈がないんだ。
悔しい。ボスは気付いていたのに…俺は自分の事ばかりで、彼女の不安に気付きもしなかった。いかに視野が狭くなっていたかを思い知らされる。
いつか彼女が、今聞いた声で俺の名前を呼んでくれるような…そんな大人にならないと…彼女が無意識に頼りにしてくれるようなそんな人間に……必ず…





そんな誓いを立ててから大分経つが、いまだ社長の方が頼りにされている様な気がする。俺たち家族にも甘えてはくれるが、頼りにはあまりされていないような気がしてならない。
確かに、この人に立ち向かうのがそもそも無謀な気がするが…敵が強大すぎる。この人が愉快な愛の伝道者で無かったらと思うとぞっとする。
しかも、あの誓いは未だ有効らしく、ボスの家には、本来彼女が住むはずだった部屋が今もそのままにしてある。いつでも辛くなったら、帰ってきていいのだという、ボスの彼女への愛情だった。それを知ったのは、俺が日本で再スタートを切った一年後の事だった。その事を両親に連絡したらとても慌てていた。


キョーコが俺に対して不満をこぼしたりしたら、この人一体どんな手段を使ってくるかわからない!!気合を入れなおさないと。


社長とキョーコのやり取りを見詰めながら、俺は決意を新たにしていた。




つづく

2011-06-12

とんだ伏兵がこんなところに!!まあ、愛情の種類が違いますが、最大にして最強のラスボスです(笑)決して敵に回してはいけません!取扱いにはご注意くださいm(__)m
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                          開設日2011年01月16日
移転日2011年04月09日

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