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大切な人27

あくまで、フィクションです。実際の登場人物や団体及び法律等は関係ありません。

パラレルです。


京子ではなく蓮が不安定になっています…あれぇ~??


この表情には覚えがある。これは、キョーコが俺に会いに来てくれた時の…俺を『アソコ』から連れ戻してくれた時の…






大切な人27





結局、答えの出ないまま、マンションに着いた。どんなに考えても、出てくる答は同じだった。


初めて俺を俺として見てくれた人

辛くて、苦しくて、どうしようもない時に、駆けつけてくれた・・・俺を救い上げてくれた人

失えない人

大切な人

・・・・・・・・・そう、代わりなんかいない、俺の一番大切な人・・・・・・

そう、これだけは揺らがない・・・


考えても考えても、行き着く先は同じだった。これ以上、京子を待たせる訳にはいかないので、車を降りてエレベーターに向かった。
上昇するエレベーターに乗りながら、また思考のループにはまりこんでいた。話しをすれば、また、なにか別の考えが出てくるかも知れない・・・そんなことを考えながら、階数表示を見つめていた。


ポーン


エレベーターが到着音を知らせる。扉が開くとそこにスーツケースを持った京子がいた。


「御帰りなさい。帰ってくるのが丁度ベランダから見えたから…」

「…スーツケース……どこかに行くのか……!?」

「しばらく社長の家に泊めて頂くことにしたの。今日はその事を蓮兄に言いたくて…だけど、なかなか帰ってこないから、心配しちゃった。さっきの電話でも様子変だったから…」

「いや、遅くなってごめん。でも今から行くのか?何か話があるって言ってたのに…」

「出来れば今日の内に移動しておきたいから、蓮兄送ってくれないかな?」

「何もこんなに夜遅くに移動しなくても、明日休みなんだから…」


俺のその言葉に、京子は困った顔をした。彼女の態度に、絶望的な考えが浮かぶ。


「…そんなに…そんなに急いで社長の家に行くほど…俺と一緒にいるのが嫌になったの…?」

「ち、違う!!そんな事絶対にない!!」


俺の暗い表情に、京子はあわてて否定する。


「じゃあ、どうして!!」


俺達を隔てるようにエレベーターの扉が閉まりかける。俺はあわてて扉を抑え、飛び降りた。

今、まるで京子と切り離されるように感じた…。バカバカしい。ただ、エレベーターの扉が閉まっただけなのに…まるで、世界が閉じたみたいに感じるなんて…

エレベーターホールでお互いに向かい合いながら、互いに沈黙が続く…京子がため息をつくと、スーツケースをもって部屋に向かった。俺の手が京子を引き留めようと伸びる。


「キョ―――

「部屋で話しましょ。ね、蓮兄」


京子は静かに微笑みながら、振り向いた。俺は無言で頷くと、京子のスーツケースを彼女の手から奪い取り、玄関を開け京子を中に促した。まるで、彼女が出ていく事が出来ない様に、翼(スーツケース)をもぎ取り、鳥籠(部屋)に閉じ込めているみたいだ。
リビングに入ると、夕飯の匂いがした。ついさっきまで待っていてくれたんだな…

俺たちはソファに二人並んで腰かけると、しばらく目を会わせずに無言で前を見ていた。


「……どうしても、行くの…?」

「しばらくは、そうした方がいいと思う…理由も合わせて話すから…」

「…それは『ショーちゃん』が原因…!?」


俺は、気が付いたら、今日見たキョーコの幼馴染の『ショーちゃん』の名前を出していた。俺の問いに京子は凄く驚いた顔で勢いよく振り返った。


「なん…で…ここでその名前が…?社長に…聞いたの…?」

「?…社長は知っているの…?もしかして…父さん達も…」


京子は俺が『彼』の名前を出した事に凄く驚いていた。どうやら『彼』の件は社長も知っているらしい。どうして俺には何も知らされないんだ。そんなに俺は頼りにならないのか…。もっと、彼女に甘えてほしいのに、俺ばかりが彼女に甘やかされている。昔感じた、屈辱…どうしようもない敗北感にとらわれる。もう、大丈夫だと思ったのに!まだ、俺は…!!

胸が重苦しく、思考が焼きつくされ、闇にとらわれそうになっていく俺に、京子の手がそっと触れた。


「そんな顔しないで…」


俺を見詰める京子は今にも泣きだしそうだった。そうだ、この表情には覚えがある。これは、キョーコが俺に会いに来てくれた時の…俺を『アソコ』から連れ戻してくれた時の…


「お願い。『ソコ』に戻らないで。私は、ココにいるから…!!」

「……うん…ココにいて…キョーコ…」


そこに『敦賀蓮』はいなかった。いつの間にか俺は彼女を『キョーコ』と呼んでいた。かき抱くように俺は強くキョーコを腕に閉じ込めていた。抱きしめる力を緩めればそこからキョーコがいなくなってしまう!俺はそんな脅迫観念に囚われていた。





つづく

2011-05-15

不安定なお兄ちゃんです。自分よりパニックを起こしている人がいると妙に冷静になれたりします。
それにしても良かった。蓮が暴走しなくて…(ホッ)



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神無月白猫

Author:神無月白猫
ここは、神無月白猫の管理する、ス/キ/ビ/の二次創作ブログです。

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無断による転用・誹謗中傷・荒らし行為もご遠慮ください。
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                          開設日2011年01月16日
移転日2011年04月09日

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