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大切な人15

あくまで、フィクションです。実際の登場人物や団体及び法律等は関係ありません。

実母と不破家の扱いがチョット悪いかもしれませんが、お話の設定上の流れと軽く流して下さい。お願いします。

本日は、子供キョーコを社長が、身元を引取るまでのお話です。










社長は、優しい人だが厳しい人だ。

でも、やっぱり変な人だ。いつも仮装していて凄いお伴を連れている。

でも、私は・・・その優しさと厳しさ、そして…変な所に救われた―――









大切な人15










社長が旅館から帰ってから、しばらくたったある日、母がいきなり私を迎えに来た。何でも再婚するそうだ。めでたい事だと不破夫妻は喜んでいたが、複雑そうでもあった。
私は、女将さん達に感謝もしていたが、あんな会話をした後だから言いしれない恐怖も感じていたので、ここを離れる事が出来るのは嬉しかった。
お世話になった不破家の皆さんに挨拶をすませると、その足で東京行の新幹線に乗った。初めての新幹線だったが、母の様子がいつもよりピリピリしているのが気になり、はしゃぐ気にもなれなかったので、窓の外の移り変わる風景を眺めていた。
東京駅に着くと、母は私を促し、ある建物の門まで連れてきた。
そこは孤児院だった―――


「…お母さん…?」

「再婚相手が資産家でね、親族が結婚は許すが、子供を養子にするつもりもないし、育てるつもりもないって……お前、邪魔だからここで世話になりなさい」

「!」

実の娘に何て言い草だろう。

「…だったらどうして…あのまま不破家に置いておかなかったの…?」

そうだ。どちらにしても私の意思が関係ないんだったら、あそこに置いておいても一緒じゃないか…

「不破家は高級老舗旅館よ。これからも付き合いがあるかも知れないのに、そこにお前がいたんじゃ世間体が悪いじゃない。ここなら、お前の事を知る人もいないしね。不破家に聞かれたら、家で留守番しているとでも答えておくわ」

「!」

そこまで…そこまで私が邪魔なのか…そこまで憎いのか…だったら何で子供なんか産むんだ…
再婚して子供ができたら、その子はどうなるんだろう…いや、再婚相手がだいじにするか…どっちにしても、私が気にする必要はない・・・・・・もう、この人とはこれでお終いなんだから……

母はそのまま踵を返し、その場を去って行った。結局、母は一度も振り返らなかった…
私は追いかける気力もなく、追いかけたところで、もうどうにもならないんだと諦めていた―――

孤児院の前に立ちつくしていると、職員が声をかけてきた。
私は母親に捨てられた旨を彼らに伝えると、身元を確認された。
名前を名乗ったら、家を聞かれたが『捨てられたのに家なんてない』と私が答えたら、職員は言葉に詰まり困った顔をした。気を取り直した一人が『誰か信用できる大人の人はいないのかい』と訊ねてきた。
そう聞かれた時、社長の顔を思い出した。子供の言う事を馬鹿にせずまっすぐ聞いてくれた大人…私はもっていた鞄をあさって、以前もらった名刺を職員の人に見せた。
社長が旅館から帰る時に『もしも何か困ったときには連絡しなさい』とくれた名刺だ。でも、貰った時はただの社交辞令だと思っていた。だからその時、何故そんな行動をとったのか分からない・・・口約束をしただけの私を本当に助けてくれるかも分からなかった。
私は自棄になっていた。それでも、諦められない・・・譲れない事もある。
名刺を渡したきり、反応を示さなくなった私を伺っていた職員は、どういう繋がりかわからないが、とにかく連絡を入れる事にしたようだった。

もうどうでもいい…でも、もしも叶うならクオンの様子だけでも聞けたら……あの人に会えれば、確認してもらえるかもしれない……でも、来るはずがない…理由もないんだから…

藁にもすがる思いだった…
その時の私は、大人は誰も信用出来ないし、頼れないと思っていた・・・でも私はいま――不破家ではなく、社長に助けを求めていた。本当に来てくれるなんて思ってなかったし、来てくれたとしても、裏切られて、もっと状況が悪くなるかも知れない…でも・・・それでも、譲れなくて、何よりも優先すべきことなの・・・クオン・・・
幸いにもそこは東京の孤児院だったので、連絡をしてから数時間で社長は来てくれた。社長の姿を見た時、私は胸が締め付けられて、のどが詰まり、そして…どうする事も出来ない感情があふれてきて、涙が止まらなかった。
社長は私が泣きやむまで、だまって頭をなでてくれた…泣きやんだ私から詳しい話を聞くと、警察や弁護士等、色々な人と私の身の振り方を相談してくれた。

待っている間に、少し冷静になった私は、不安を感じていた。

もし母のもとへ…ううん、不破家に戻されたら…(ゾク)
……またいわれるままに、ただ人形のように生きるんだろうか……

不破家での生活を…女将さんとの会話を思い出して体が震えだしていた……

話し合いの結果、一時的に私と知人である社長宅に預かられることになった。赤の他人なのに社長が預かる事ができたのか…これは、私が一番初めに助けを求め、連絡をした事が強みになったようだ。

その後、身元確認をした警察が母と連絡をとり、色々な手続きをへて、実母が私の親として不適格の烙印を押され、私に近づく事を禁じられ、一切のかかわりを絶たれた。また不破家の人達も私に近づく事を禁じられた。
最後に会った日、実母は―――

『お前さえいなければ……』

そう言って私を憎しみのこもった目で睨んでいた。もう、実母には何も感じなくなっていた…
実母から解放された私はこれからどうしようか…孤児院での生活が始まるのかな…と思っていたら、社長が後見人として引取ってくれるとの事だった。どうして社長がそこまでしてくれるのか、理解できなかった。私を引取るなんて、芸能事務所の社長だが、私をタレントや、後継ぎとして欲しいわけではなさそうなのに…


「なに、なんとなくだ」

「何となくですか・・・」

「ああ。しかし・・・そうだな~、君が気になるならこうしようか。これは投資だ。将来仕事をして稼ぐようになったら、それまでかかった生活費や学費を少しづつ返してくれればいい。奨学金制度みたいなものだと思ってくれればいい」


そう言って笑った。


「でも、社長には何の得にもなりません」


そうだ、社長さんには何の得にもならない。


「じゃあ、クオンに会ってやってくれ。…君と京都で会った時、君の言葉が気になってな。あいつの両親に連絡して、クオンの様子をそれとなく聞いたんだ。そしたら……君が気にしていた通りだった……アイツは今、自分では脱出せないほどの闇につかまってる…君なら、アイツを連れ戻せるかも知れない…」

「それは、クオンに会わせてくれるって事ですか…?」

「そうだ。いや、会ってやってくれ。これは俺だけじゃない、アイツの両親からの頼みでもある」

「私には、願ってもない条件ですが…社長は本当にそれでいいんですか?」

「ああ、かまわん。だがこれでは、不破家の事は言えんな…失望したか…」


社長は、苦笑していた。確かに面倒をみる代わりにということなら同じなのかもしれない。でも―――


「いいえ。私は彼が心配で、会いに行く方法を探していたところですから…それに、強制ではなさそうですし…」

「援助してやる代わりに、頼みをきけと言っているのにか?」

「はい。私が…条件を聞き返さなかったら、社長は絶対に言いださなかったと思います」

「……ふ…、たしかにな。大人の勝手な欲に振り回され続けてきた君が、そう言ってくれるって事は、少しは信用してもらえたと事かな?頼りのしても良い大人として…」

「!!あんな会話を覚えてらしたんですね……」

「ああ。身につまされたよ…大人としてな…愛をうたう私には見過ごせないほどに!!」


いままで、しんみり話をしていたのに、社長のテンションが急に上がった。私は何が起こったのか分からず、オロオロしていると、秘書の人が書類をもって入ってきた。社長は書類を受け取ると、私をみてニヤリと笑った。


「とにかく、私が君の保護者という事になったから、これからよろしくな」


そう言って、ニヤリと笑いながら、手を差し出してきた社長の手を私は握り返した。








つづく
2011-04-16




随分長くなってしまいました。
軽く人間不信に陥っていたキョーコちゃんをなんとか踏みとどまらせ、信用を得た社長さんでした。

実母も不破家も、社長の事は詳しく知りません。キョーコちゃんと接触させない為に、居場所を知られないように、間に人を挟んでましたから…なので、現在の保護者の正体も全く情報にありません。
社長の処に手紙が届いたのは、あくまで所属事務所の社長だからです。社長へは、自分達は身内同然の仲やと書かれていました。読んだとたん不快感のあまり握りつぶそうとしましたが、接触を禁じているにも関わらず、接触してきた証拠として大切に保管して、当時の弁護士に連絡を入れました(笑)
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神無月白猫

Author:神無月白猫
ここは、神無月白猫の管理する、ス/キ/ビ/の二次創作ブログです。

管理人は雑食というか、漫画なら結構色々好きなのでジャンルは増えるかもしれませんが、原作者様並びに出版社様とは何の関係もありません。
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無断による転用・誹謗中傷・荒らし行為もご遠慮ください。
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                          開設日2011年01月16日
移転日2011年04月09日

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