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大切な人11

あくまで、フィクションです。実際の登場人物や団体及び法律等は関係ありません。


今日は、過去のクオンとボスの会話です。
――彼女の将来も自分で選べる。この国に関わらず、あの場所以外なら出来る――

そう思ったのも事実だ。でも一番は――








大切な人11


敦賀家用に借りたアパートから家族(敦賀家設定の)に見送られながら家を出て車で空港に向かう。
しばらく、振り返りアパートの前に佇む彼女を見ていた。もう見えなくなったころ、ボスが声を掛けてきた。


「いいのか?クーとあんな約束をして…」

「はい…俺は遊びに行くわけではありません。こんな機会(チャンス)はもう作ることが出来ない事くらい、俺にも分かっています。何より、彼女が親との縁を切ってまで俺のもとに駆け付けて来てくれた…その想いと行動を無駄にはしたくありません」

「ああ、そうだったな。日本国籍まで捨てる覚悟をするなんてな…深い想いだな・・・怖いか…彼女が…」


ボスは、真剣な顔で訊ねてきた。怖い…俺はそんな風に思わなかった。むしろ…


「いいえ。怖いなんて感じませんでした。むしろ、歓喜すら覚えましたよ。彼女の中に、他の誰よりも俺が強く存在している事実に…」


そう俺は、歓喜したんだ。彼女の母親より、幼馴染より、生まれ育った国よりも、強く深く思われている事に…!!
こんな、ドロドロした感情を彼女に知られるわけにはいかない。知られたら怖がって俺から逃げてしまうかも知れない。


「愛を感じたか!!お前は、クーに重量級の愛を注がれ続けてるから、どう思うか心配だったが…重くは感じていないようならよかった…」

「重くなんてありません…彼女をそんな風に思った事はありません…」


そう、そんな事思うもんか!!
自分の考えに手を握りしめていると。隣に座ったボスが顎をさすりながら何かを思い出しているようだった。


「国籍に関しては俺が彼女を引取っていれば捨てさせる事にならなかったんだが…旅館の夫婦が、跡取り息子の婚約者にしようとしている情報も入ったんでな。少しでも彼女が連れ戻される可能性を少なくしておきたかった。旅館(あそこ)が引取ったんでは、彼女の環境は結局変わらないままだからな。」

「旅館(あそこ)に引取られたんでは、彼女の将来は一つだけです。自由はありません。日本の養子縁組は、跡取りにする為というケースが多いと聞きます。遺産相続の法律もありますし…」

「大丈夫だ。あくまで合法的な手段、徹底的に法律に従って手続きしたからな。あちらが無茶を言ってきても大丈夫だと思うぞ」

「そうですか…安心しました。アメリカでは後継ぎの為の養子縁組ではないですからね。そういうケースもあるかもしれませんが…日本と違って養子をとるなんて事は、普通に行われている事ですから。国籍が違うから、手続きがとても大変だったようですが…」


うん。この国なら、彼女の将来も自分で選べる。この国に関わらず、あの場所以外なら出来る。

何故、彼女がヒヅリ家の養子になったのか…それは、彼女がボスと初めて会った直後に起こった事が原因だった。
彼女はボスと初めて会ったころ、俺の手紙から俺の不安定な精神状態…追いつめられていた俺に気づいて、俺のところへ来ようとしてくれていた。
しかし、彼女の母親はそんな事を許すはずもないから、如何したらいいか方法を探していた。
そうこうしている内に、何と彼女の母親は、再婚するのに邪魔な彼女を孤児院に捨てたのだ。
このままでは、間に合わなくなるどころか、二度と俺に会いに行けなくなるかもしれない。彼女はダメモトでボスから貰っていた連絡先に電話をし、助けを求めたのだ。
事情を知ったボスは、弁護士(ボスの素性を彼女の母親に知られないため)を雇い、興信所に過去に遡り母親の事や彼女の生活環境を調べさせ、児童相談所の人達も交えて彼女の母親に『親』として、不適格の烙印を押した後、今後一切、彼女には関わらないように処理さした。
そのあと、ボスが彼女を引取り、そして彼女は、ボスに連れられ俺の元へ駆け付けてくれた。
その後、彼女の事情を知った俺の両親は、彼女を正式に養女として引取った。


「ハリウッドスターが養子をとることも多いから大丈夫だとは思ったが、マスコミ対策で注意は必要だったからなぁ…でも、彼女の表情が柔らかくて安心したよ。苦労のかいがあったもんだ」

「あの人たちは、やると言ったら徹底的にやる人達ですから…」

「まぁな。でも、あいつら位の重量級の愛情を受けないと、彼女は理解しないだろ。自分が大切に思われているなんて…。まっ、あいつらがお前のためだけに引取るってんなら、俺も引かなかったんだが…」

「その…、引いてくださってありがとうございます」

「その彼女が一緒じゃなくて不安はないのか?」

「でも、彼女の為と言われては、どうする事も出来ませんよ…」


彼女は、俺が俺としてやり直すにはどうすればいいか一緒に考えてくれた。
その舞台づくりの為、自由に動ける時間を確保する為に、学校だって飛び級で大学まで一緒に卒業したり、『敦賀蓮』が海外での生活経験者なんて印象付けるために、『キョーコ・ヒヅリ』とは別人の『敦賀蓮の妹の京子』として一年はアパートで俺と一緒に生活してくれた(親は忙しい職業で普段は兄弟で生活している設定)
日本語や日本の学校教育、生活習慣なんかも同時進行で一緒に勉強したから、彼女も大変だったはずなのに…いつも、笑って励まして演技の勉強にも付き合ってくれて、俺の為に一生懸命になってくれた。
だが、俺の事ばかりで自分の事は後回しだった。確かに、彼女自身の事をゆっくり考えて、子供でいられる時間は必要だ。


「それに、これは俺では駄目なんです」

「駄目とは…?」

「子供でいられる時間。親の愛情。俺は親には成れない。自分には与えることの出来ないものです」

「………」

「父さんたちが彼女にそれを与えている間に、俺は日本で俳優としてトップに上りつめて見せます。そして、その暁には―――彼女を必ず取り戻します」


ボスは黙って俺の決意を聞いていた。もうすぐ、空港に着く。
そして日本へ――――










つづく
2011-04-10





余ほどでないと、親権をもった親から、赤の他人が子供を引取るのは難しい(?)と聞きます。
精神的虐待であれ、肉体的虐待であれ、親権を失効させるのは難しいはず(?)です……フィクションとして、ストーリー上の設定として軽く流してください。
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神無月白猫

Author:神無月白猫
ここは、神無月白猫の管理する、ス/キ/ビ/の二次創作ブログです。

管理人は雑食というか、漫画なら結構色々好きなのでジャンルは増えるかもしれませんが、原作者様並びに出版社様とは何の関係もありません。
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無断による転用・誹謗中傷・荒らし行為もご遠慮ください。
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                          開設日2011年01月16日
移転日2011年04月09日

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