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大切な人9(後篇)

昨日、下書き段階でアップされてたのであせりました。
修正完了!
チョット長くなったので前編と後編にしました。昨日の続きからどうぞ



大切な人9(後篇)









『――キョーコの為――』


『敦賀蓮』の素性がばれない為の処置だと思っていたが、どうやらそれだけではなさそうだ。
父は後ろに目をやり、ボスや母と話をしているキョーコの様子を確認すると、先ほどより小さな声で話し始めた。


「キョーコがヒズリ家の家族になってから数年経った。だが私たちにまだ遠慮があるようだ。お前の事があったからだけじゃなく、彼女の事も助けになりたいと思ったから養子にしたというのに・・・」

「キョーコは父さん達には甘えたところを見せていると思うけど・・・」

「あれでか?」


随分驚いてるな。確かに子供にしては、慎ましいと思うけど。でも・・・


「うん。自分の事でもお願い事とかするだろう?」

「チョットまて。お願い事と言っても、学校の事とか日常の必要なものを買ったりだぞ?贅沢はしないし…年頃の女の子なら欲しがるものとか、旅行に行きたいとか・・・色々あるだろう。」

「彼女はあんな些細なこともできなかったんだ。一緒にご飯を食べて、何でもない話を聞いてくれて、一緒に寝てくれる・・・ココが自分の家だって実感できる場所。帰ってきていいお家。そんな些細な事が彼女を幸せにしてくれる・・・。預けられてた旅館の夫婦は確かに彼女を大事にはしてくれたけど、忙しいあの家ではさびしいなんて言う事も泣く事も出来ないし・・・・・・厄介者と追い出されないように、気に入ってもらえるように必死だったんだろうね・・・母親に何か言われたら、何処にも行くあてがないんだから・・・」


初めて会った時、独りで泣いていたあの子。幼馴染は支えにはなってくれなかったのか・・・そう思うと会ったこともない彼に怒りがわいてくる。


「そうか健気だな・・・」

「可哀想とは言わないんだね」


意外だった。こんな話を聞いた人は、たいていあの子を可哀想な子というのに・・・


「それは頑張ってきたキョーコに対し、失礼だろう」

「それが分からない人が多いんだ。自分より可哀想な人間がいると優越感に浸った考えなのに・・・」

「まあ、同情を悪い事ばかりととらえるな。自分と共感してくれている人は役者にとっては重要だぞ」

「わかってるよ。役に、ストーリーに引き込めなければしらけてしまうからね。そうなってはすべてが台無しになることぐらい・・・(ムス)」

「(クス)ならいい。話は少しそれたが、だったらなおさらだ。クオン。私たちにキョーコの親になる時間をくれないか」

「親になる時間?」

「彼女の母親がなぜ子供に精神的な苦痛を与え続けたのかわからないが、子供でいられる時間があの子にはなかった・・・。何かを与えないと与えて貰えないのが当たり前で、無償の厚意の受取り方を知らない。これは、大人になる前に何とかしないと、取り返しのつかない事になるかもしれない」

「子供の時間・・・。でも、あの子が家の家族になってから、ちゃんと親だったよ。父さん達は・・・」


父さんは頭(かぶり)を振った。納得できない様だ。


「実子であるクオンに遠慮があるのか、養子縁組を組ませてしまったと罪悪感を感じているのか、それとも、トラウマは中々解消できないのか・・・まだ、堅いんだ」

「でも、会うのを禁じなくても・・・」

「お前も原因の一つだぞ。彼女を可愛がろうとしたら、とりあげて一人占めするんだから・・・(ジトッ)」


身に覚えがありすぎて、父から目をそらす。でも、二度と会えないと思ってた存在が目の前にいて、家族としてズット一緒にいてくれる。独りじゃないという嬉しさから、彼女を連れ去ろうとする者すべて排除しようとした(男はもちろん、両親も、ボスも、彼女の女友達でさえ)記憶は確かにあるけど・・・


「うっ、でも俺もキョーコといたかったから・・・(汗)」

「(ハア)・・・男を排除するのは父さんも賛成だ。家の娘に手を出そうなんて10年早い。いや、俺より強い男でなければ、あの子は渡さん!!」

「うん!キョーコにボーイフレンドなんて俺も反対!!」

「しかしだ、女友達まで排除しようなんて・・・お前はやりすぎだ!キョーコは日本では、友達を作れなかったんだろう?確か、幼馴染の男の子が好きな女の子達に邪魔されたのと、旅館の手伝いが忙しかったから・・・」



「嫌がらせを受けてたんだよ。理不尽な理由でね。なのに『ショウちゃん』は気付きもしないし、助けもしなかったらしい(怒)」



「そ、そうか(随分その幼馴染に対して嫌悪を抱いてるようだが他にもなにかあるのか?)・・・だからだな、実子であるクオンがいない時なら、彼女も少しはわがままも言いやすいんじゃないかと思ってな。お前がいたら、お前に甘えそうだしな」



「良いじゃないですか。俺に甘えれば(照)」



「良くない。大切にすることと、依存することは違うぞ。このままではお前たちは、二人だけで世界を完結してしまうだろが!!仲がいいのは構わないが、周りを見ることは大切だ」



「でも、戒律にしなくても・・・どうせ、たまにしか会えないんだし・・・」



「(ジトッ)クオン。日本でキョーコ位の子供が長期休暇(夏休みとか)に入ったらその間、キョーコを手元においておく気だろう」




ギクッ 何で分かったんだ。確かに、その時期なら、妹が泊まりに来ていてもおかしくないから、そう計画しているけど・・・




「言っておくが、彼女のパスポートは俺達が預かる。どちらにしても、未成年だからな。渡日なんて親の許しがなければ無理だろう。あるいは、誰か大人の付き添いがな」



「ズルイよ、父さん!」



「お前が約束を果たせば会う事は出来る。頑張ってトップに上り詰めろ。その間に少しでも彼女に子供らしさが戻るように、俺達も頑張るから」





キョーコの為――そういわれたら俺にはどうする事も出来ない。早く彼女に会えるよう俺は――

手にを握りしめる。爪が手のひらに食い込むが、痛みを感じないほど深く考えにはまり込んでいた。



早く大人になりたい。あの子を自分の手で守れるくらい。

ボスが知らせてくれなければ・・・両親が彼女を引き取ってくれなければ・・・子供の俺では劣悪な環境で暮らす彼女を助けることは出来なかった。

たしかに彼女には、衣食住確かに与えられていたけど、心を切り刻まれ続け、安らげる場所がなかった。そんな彼女には親の・・・無償の愛情は確かに必要だ。どんなに頑張ってみたところで、自分は親には成れない。自分には与えることの出来ないものだ。



俺は父に目を据え宣言する。




「俺は、彼女を必ず取り戻してみせる」



「ああ。頑張れ、クオン」





必ずこの手に―――――












つづく

2011-04-09





長くなってしまいました。番号を10にしても良かったのですが、なんとなくこれはひとまとめにしたかったので・・・

まるで嫁に下さいみたいな場面ですvv
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神無月白猫

Author:神無月白猫
ここは、神無月白猫の管理する、ス/キ/ビ/の二次創作ブログです。

管理人は雑食というか、漫画なら結構色々好きなのでジャンルは増えるかもしれませんが、原作者様並びに出版社様とは何の関係もありません。
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無断による転用・誹謗中傷・荒らし行為もご遠慮ください。
以上、了承いただける方は各記事にお進みください。
                          開設日2011年01月16日
移転日2011年04月09日

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